白い皿にのせた白檀の木片と削りくず

サンダルウッドは、白檀の英名。呼び名が違うだけで、同じ香木。

この記事の要点

  • 香水の「お香っぽさ」をつくるのは、主に香木(白檀=サンダルウッド、沈香=ウード)、樹脂(乳香・安息香)、スパイス(桂皮・丁子)の3つです。
  • 香水の香料名が分かれば、部屋で楽しむお香も選べます。サンダルウッド派なら白檀、ウード派なら沈香、スモーキーな樹脂が好きならパロサントです。
  • 香水は肌にのせて自分のまわりを、お香は火で部屋全体を香らせます。どちらも香りが時間で移ろい、nagomi. は香水と同じくTOP・MIDDLE・LASTで香りを公開しています。
  • 服や体に香りをまとわせたいなら、燃やさずに香らせる空薫や、肌に塗る塗香という日本の方法があります。

香水で「お香みたい」と感じる香りの正体は、主にお香の世界で昔から使われてきた香木・樹脂・スパイスです。なかでも中心になるのが、香水ではサンダルウッドと書かれる白檀と、ウード(アガーウッド)と書かれる沈香。同じ香木を、香水では英語やアラビア語由来の名前で、お香では日本の名前で呼んでいるだけです。

ですから、その香りが好きなら、部屋ではお香で同じ系統を楽しめます。この記事では、香水の香料名とお香の対応表を軸に、「お香っぽさ」の正体と、香水の好みから一本を選ぶ方法をまとめます。香水の商品名は挙げず、香りの名前だけで整理します。

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「お香っぽさ」の正体は、香木・樹脂・スパイスの3つ

香水の香料表記に次の名前が並んでいたら、それが「お香っぽさ」の手がかりです。

香木 — サンダルウッドとウード

サンダルウッド(sandalwood)は白檀の英名で、別の香りではありません(白檀・サンダルウッド・ムスクの違い)。香水の世界では、香りの土台になる「ベースノート」としてよく使われます。甘くやわらかい木の香りで、お香の世界でも圧倒的な定番です。

ウード(oud)は沈香のこと。英語ではアガーウッド(agarwood)と呼ばれ、中東や欧州のフレグランスで人気のウードは、沈香と同じ香木に由来しています(沈香とは)。木が傷を守るために蓄えた樹脂が香る香木で、甘み・苦み・スモーキーさが折り重なります。

樹脂を含んだ沈香(アガーウッド)の香木

香水のウードは、この香木から。黒い部分が、長い年月で蓄えられた樹脂。

樹脂 — フランキンセンスとベンゾイン

フランキンセンスは乳香、ベンゾインは安息香、ミルラは没薬の英名です。いずれも木の傷から採れる樹脂で、乳香は澄んで柑橘を思わせる香り、安息香はバニラを思わせる甘く温かい香り、没薬は苦みを含んだ渋い香りです。香水でベースノートと呼ばれる層に樹脂が多く使われるのは、香り全体を長持ちさせる働きがあるためです。お香でも同じ考え方で樹脂が使われてきました。

スパイス — シナモンとクローブ

桂皮(けいひ)はシナモン、丁子(ちょうじ)はクローブと同じ植物です(桂皮と丁子)。温かく、香りの輪郭をつくるスパイスで、nagomi. の白檀も、点けてすぐの香りに桂皮と丁子をさりげなく重ねています。

ひとつ注意したいのがムスクです。白檀と並べて語られることが多いのですが、ムスクは本来ジャコウジカ由来の動物性香料で、現在は合成香料が主流。石けんのような清潔な甘さで、木の香りとは別物です。木の温かみを感じたら白檀系、清潔な甘さが肌に残る感じならムスク系、と覚えておくと見分けやすくなります。

香水の香料名と、nagomi. のお香の対応表

香水で好きになった香料の名前から、近い系統のお香を引けるようにまとめました。右の列は、各香りのページで公開している香りの名前と香りのノート(香調)を根拠にしています。パロサントが樹脂系に近いという点だけは、乳香・没薬とは?の記事での見立てです。ムスク(ホワイトムスク)は単独の香りはなく、檜・金木犀・ホワイトティーの消えたあとの香りに使われています。

nagomi. の香り香水で見かける名前手がかり
白檀サンダルウッド白檀の英名。インド白檀のやわらかな甘さ(¥999)
沈香ウード、アガーウッド沈香の別名。シャム沈香が主役(¥1,280)
パロサントパロサント。樹脂系のフランキンセンス・ベンゾインにも近い甘さのウッディにスモーキーと樹脂感(¥1,280)
ホワイトティーホワイトティー、ジンジャー、レモンジンジャーとレモンから白茶の透明感へ(¥1,280)
檜シダーウッド、ベチバー、パチョリ消えたあとにこの3つの奥行き(¥1,280)
金木犀オスマンサス、ネロリ、イランイラン立ち上がりにネロリとイランイラン(¥999)
ジャスミンジャスミン(茉莉花)清潔感のある白い花の甘さ(¥999)

※ 価格はAmazon.co.jpでの販売価格(税込・約60本・2026年7月時点)。香りの説明は各香りのページの香調(調香を担当した香司による説明)にもとづきます。

「パロサント 香水」「ホワイトティー 香水」のように、香水と同じ名前で探している方は、まずその名前の香りのページを見てください。いずれも点けてすぐ・燃焼中・消えたあとの3段階で香りを説明しています。

香水とお香の違い — 肌にのせるか、空間を満たすか

香りの素材は共通していても、香水とお香は「どこを香らせるか」がまったく違います。

観点香水お香
場所自分の体と、そのまわり部屋全体
出し方肌にのせ、体温で香り立つ火をつけ、燃やしながら香り立つ
時間つけているあいだ香り続ける一本約30分+残り香
移ろいトップ・ミドル・ラスト点けてすぐ・燃焼中・消えたあと(約30分に凝縮)
設計する人調香師(パフューマー)香司(こうし)。火を通した先の香りを想像して配合する

いちばん大きな違いは、お香は燃やすことで香りが変わる点です。箱を開けた瞬間の香りと、火を点けたときの香りは別物で、燃焼中こそが本番です。香りを設計する香司は、液体として完成する香水とは違い、火を通した先の香りを想像しながら配合を組み立てます。

そのうえでnagomi. は、香水のように香りをノートで設計し、そのまま公開しています。点けてすぐ(TOP)、部屋が満ちていく燃焼中(MIDDLE)、部屋と衣に残る消えたあと(LAST)。香水を選ぶときと同じ感覚で、お香を「一本の香水」として選べるようにするためです。

nagomi. 香り監修 川辺一寛

川辺 一寛nagomi. 香り監修

火をつけた直後ではなく、炎を消して煙が安定してからの香りを確認します。

お香は火を使うものなので、多少の燃焼臭は必ずあります。そのうえで、燃焼臭だけが前に出ているのか、その奥に白檀や沈香、花、柑橘などの素材の香りがきちんと感じられるのかを見ます。

火をつける前と後で、香りが変わる

「自分はマインドフルネス用に購入しました。そのままスッと嗅いでみると少し上品すぎるけど火をつけると化けます。」

— Aさん(白檀・★4)

※ Amazon.co.jp のカスタマーレビューより引用(2026年2〜7月)。表記はそのまま掲載しています。

香水の好みから、一本を選ぶ

普段つけている香水の系統から、部屋で焚く一本を選ぶ目安です。

  • ウッディ・お香系の香水が好き — まず白檀。多くの人が「お香らしい」と感じる王道で、甘すぎず重すぎません。もっと深く、陰影のある香りがほしくなったら沈香へ。
  • スモーキーで樹脂っぽい香水が好き — パロサント。やわらかな甘さのウッディに、ほのかなスモーキーさと樹脂感が重なります。
  • 甘い香水が好き — 花の蜜の甘さの金木犀か、木のやわらかな甘さの白檀。甘さの違いは甘い香りのお香はどれ?で比べています。
  • 清潔感・お茶系の香水が好き — ホワイトティー。甘さや重さを控えた透明感で、空間にすっと馴染みます。
  • グリーン・ウッディ系の香水が好き — 檜。ヒノキとリンゴ、青々しいグリーンの立ち上がりから、シダーウッドやベチバーの奥行きへ。
  • 白い花の香水が好き — ジャスミン。摘みたての花のグリーンから、茉莉花の清潔感のある甘さへ。

香水と同じで、お香も最初の1本は目新しさで印象が偏ります。同じ香りを3本ほど焚いてから判断すると、自分の香りかどうかが分かりやすくなります。

nagomi. お試し香(定番5種×4本)

香水のテスターのように、5つを焚き比べる。

お試し香は定番5種(白檀・沈香・檜・ホワイトティー・金木犀)を4本ずつ。サンダルウッドもウードも、1本約12〜15分の短寸で確かめられます。パロサントとジャスミンは入っていません。¥750(税込)

服や体に香りをまとうなら — 空薫・塗香

香水の代わりに、お香の香りを身につけたい。そんなときに知っておきたい、日本に伝わる方法が2つあります。

  • 空薫(そらだき) — 香を直接燃やさず、灰に埋めた炭の熱で間接的にあたためて薫らせる方法です。平安時代には、貴族が部屋に香りを漂わせたり、衣服に香りを移したりするために用いたと伝わります。香炉・灰・炭などの道具が要るので、日常はスティック、特別な日に空薫という使い分けが現実的です。
  • 塗香(ずこう) — 白檀・丁子・桂皮などを細かい粉末にし、手首や胸元に直接塗って使う、火を使わないお香です。香りはほのかに1〜2時間ほどで、香水より控えめ。肌が敏感な方は、少量から試してください。

スティックのお香で部屋を香らせると、香りはカーテンや寝具などの布に残りやすくなります。服に香りを移したくない日は、クローゼットの扉を閉めてから焚いてください(賃貸・アパートでお香を焚くには)。

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よくある質問

お香みたいな香りの香水には、何の香りが入っていますか?
「お香らしさ」をつくる代表的な香りは、サンダルウッド(白檀)やウード(沈香)といった香木です。フランキンセンス(乳香)やベンゾイン(安息香)などの樹脂、シナモン(桂皮)やクローブ(丁子)などのスパイスも、お香を思わせる香りの材料です。
香水とお香の違いは何ですか?
香水は肌にのせて自分のまわりを香らせ、お香は火をつけて部屋全体を香らせます。お香は一本約30分のあいだに、点けてすぐ・燃焼中・消えたあとと香りが移ろいます。
サンダルウッドやウードの香水が好きなら、どのお香がいいですか?
サンダルウッドは白檀の英名、ウードは沈香の別名なので、同じ香木の香りのお香を選べます。nagomi. では白檀(¥999)と沈香(¥1,280)です。はじめてなら、やわらかく甘い白檀からが選びやすいです。
パロサントやホワイトティーの香水が好きです。同じ名前のお香はありますか?
あります。nagomi. のパロサントはやわらかな甘さのウッディにほのかなスモーキーさと樹脂感が重なる香り、ホワイトティーはジンジャーとレモンの立ち上がりから白茶の透明感へ移る香りです。どちらも約60本入りで¥1,280です。
お香の香りを服に移すことはできますか?
日本には、香を燃やさずにあたためて衣服に香りを移す「空薫(そらだき)」や、粉末の香を肌に塗る「塗香(ずこう)」という方法が伝わっています。スティックのお香で部屋を香らせた場合は、カーテンや寝具などの布に香りが残りやすくなります。
nagomi. 香り監修 川辺一寛

Supervisor

川辺 一寛nagomi. 香り監修

京都生まれ、京都育ち。株式会社若林佛具製作所にて四半世紀以上にわたり香りと向き合い、仏事コーディネーター・京仏マスターソムリエの資格を持つ。nagomi.では香りの方向づけと、淡路島の香司との焚き比べ・共同開発を担う。

香水でウードを知った人に。nagomi. 沈香(約60本)

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ウードと同じ香木、シャム沈香の奥深い香りが主役。漢方をほんのり忍ばせた静かなバランスです。淡路島で製造・天然香料使用。¥1,280(税込)

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