窓を開けて風を通した静かな部屋。お香は焚かれていない

つらいと感じたら、まず火を消してください。

この記事の要点

  • お香で頭痛や吐き気を感じたら、まず火を消し、窓を開けて換気し、その場を離れて休みます。
  • 要因として多いのは、換気不足・香りが強い・焚く量が多い・空腹や疲労・香りへの感受性で、複数が重なることもあります。
  • 再開するときはお香を半分に折る(燃焼時間 約30分が約15分になります)など、濃度と量を下げた条件から試します。
  • 症状が強いとき、繰り返すとき、長く続くときは自己判断せず医師にご相談ください。使わない選択も正しい選択です。

お香を焚いたら頭が痛くなった、気持ちが悪くなった、むせた。そう感じたら、我慢して続けないでください。この記事では、考えられる要因と、すぐにできる対処を整理します。

はじめにお断りしておきます。私たちは医療の専門家ではありません。ここに書けるのは香りをつくる立場からの一般的な整理までで、原因を特定することはできません。症状が強いとき、繰り返すとき、長く続くときは、自己判断せず医師にご相談ください。

まず、すぐにできる対処

  1. 火を消す — 灰皿や受け皿に押しつける、水にくぐらせるなどして確実に消します(途中で消す方法)。
  2. 換気する — 窓を二か所開けて空気を通します。
  3. その場を離れる — 別の部屋、できれば屋外で外の空気を吸い、しばらく休みます。
  4. 楽になるか確かめる — 離れて改善するなら、環境側の要因が大きい可能性があります。改善しない、または悪化するなら医療機関へ。

「もったいないから最後まで焚く」は必要ありません。体調のほうがずっと大切です。

要因として考えられること

よくある要因は、換気不足・香りの強さ・焚く量・煙を吸い込む位置・体調・香りへの感受性の6つです。断定はできませんが、一般に次のようなことが挙げられます。複数が重なっていることも多いと感じます。

考えられる要因思い当たるなら
換気が足りず、煙の濃度が上がっている窓を開ける・扉を開けて空気を動かす
香りが強い、量が多い一本にする・半分に折る・短寸にする
煙を直接吸い込む位置にいる顔の正面と風下を避けて置く
部屋が狭い、密閉されている広い部屋・隣室で焚く
空腹・疲労・寝不足体調のよい日に、短時間から
もともと香りに敏感な体質無理に慣らそうとしない
特定の香料が苦手系統の違う香りを少量で試す

あわせて知られていることとして、片頭痛のある方では、強いにおいが発作の誘因になることがあると言われています。感じ方には個人差が大きく、香りだけが理由とも限りません。気になる場合は医師にご相談ください。

なお、お香の煙や体への影響についてはお香は体に悪い?でも整理しています。

もう一度試すときの工夫

もう一度試すときは、香りの濃度と量を下げた条件から始めるのが基本です。同じ条件でそのまま再開すると、同じことが起きやすいからです。「香りは好きなので、できればまた使いたい」という方は、次の工夫から試してください。

同じ部屋で一本 半分に折る 短寸を使う 隣の部屋で 約30分 約15分 約12〜15分 香りだけが届く 濃い 薄い
  • 半分に折る — 燃焼時間が約30分から約15分になり、出る煙の総量も減ります。
  • 短寸のものを使う — お試し香は通常の半分の長さで、約12〜15分です。
  • 隣の部屋で焚く — 直接の煙ではなく、流れてきた香りだけを感じる方法。いちばん穏やかです。
  • 窓や扉を開けたまま焚く — 香りは薄くなりますが、まずは薄いところから。
  • 体調のよい日に、短時間から — 疲れている日、空腹の日は避けます。
  • 系統を変えてみる — 甘い香りが苦手な方が、樹木系だと平気なことがあります。40秒の香り診断も参考にどうぞ。

それでもつらいなら、火を使わない香りの楽しみ方や、煙の少ないタイプのお香という選択肢もあります。

「使わない」という選択も、正しい選択です

香りには、どうしても相性があります。合わない人が無理に慣れる必要はありません。

お香をつくっている私たちが言うのも変ですが、体が受け付けないものを我慢して使い続けて、良いことは何もありません。香りの楽しみ方はほかにもありますし、香りのない静けさもまた良いものです。

また、ご自身は平気でも、同居のご家族や来客が同じとは限りません。焚く前に一言確認する配慮も大切です(お香のマナー)。

もし試すとしても、まずは少量から。いきなり60本入りを買う必要はありません。

よくある質問

お香を焚くと頭が痛くなります。まず何をすればいいですか?
無理をせず、まず火を消してください。そのうえで窓を開けて換気し、できれば別の部屋や屋外で外の空気を吸って休みます。症状が強いとき、繰り返すとき、長く続くときは自己判断せず医師にご相談ください。
どんなことが要因として考えられますか?
一般に、換気が足りず煙の濃度が上がっている、香りが強すぎる、焚いている量が多い、空腹や疲労・寝不足で体が敏感になっている、もともと香りに敏感な体質である、といった可能性が挙げられます。原因は人によって異なり、ここで断定はできません。
もう一度試すとしたら、どう変えればいいですか?
量と濃度を下げる方向で試してください。お香を半分に折る、短寸のものを使う、隣の部屋で焚いて流れてくる香りだけを感じる、窓や扉を開けたまま焚く、といった工夫があります。体調のよい日に短時間から始めてください。
煙にむせてしまいます。
煙を直接吸い込む位置に座っている可能性があります。顔の正面や風下を避け、少し離れた場所に置いてください。それでもつらい場合は、火を使わない香りの楽しみ方に切り替えるという選択もあります。
頭痛持ちですが、お香を使ってもいいですか?
強いにおいが頭痛の誘因になることがあると言われており、体質によって差があります。使用を判断できるのはご本人と医師です。持病の治療中の方や不安のある方は、あらかじめ医師にご相談ください。合わないと感じたら、使わないという選択を尊重してください。
nagomi. 香り監修 川辺一寛

Supervisor

川辺 一寛nagomi. 香り監修

京都生まれ、京都育ち。株式会社若林佛具製作所にて四半世紀以上にわたり香りと向き合い、仏事コーディネーター・京仏マスターソムリエの資格を持つ。nagomi.では香りの方向づけと、淡路島の香司との焚き比べ・共同開発を担う。

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