香皿の灰に火先を埋めて、お香を途中で消すところ

火は、空気を断てば静かに消える。

この記事の要点

  • お香を途中で消すには、火先を灰に埋めるか、不燃の皿に押し当てて空気を断ちます。
  • 最初から短くしたいなら、火をつける前に折るのが最良です。1本約30分、半分に折れば約15分になります。
  • 水をかけると確実に消えますが、残りが使えなくなるため緊急時だけの手段です。
  • 灰や皿で消したお香は、先端の焦げを少し折ってから、もう一度焚けます。

来客が急に決まった。出かける時間になった。もう十分に香った。お香を途中で消したい場面は、意外とよくあります。線香タイプのお香は火を使うものなので、消し方にも正しい手順があります。この記事では、途中で消す方法と、そもそも消す必要をなくす工夫を解説します。

結論 — 短く楽しみたいなら、焚く前に折るのが最良

先に、いちばん大事なことを。「今日は短くていい」と最初から分かっているなら、火をつける前に折ってください。スティック1本の燃焼時間は約30分。半分に折れば約15分です。途中で消す手間も、消し損ねる不安もありません。

お香は手でパキッと折れます。折った残り半分は、また次の機会に焚けばいい。途中で消すのは、あくまで予定が変わったときの手段と考えるのがおすすめです。

途中で消す2つの方法

途中で消す方法は、灰に火先を埋めるか、不燃の皿に押し当てるかの2つです。火を消す原理はひとつ、火種から空気を断つことだからです。

方法1:灰に火先を埋める

香炉や香皿に灰がたまっているなら、これがいちばんきれいな消し方です。火のついた先端を、灰の中へ静かに差し込みます。空気が断たれ、数秒で火種が消えます。灰が汚れず、お香の残りも傷みません。

方法2:不燃の皿に押し当てる

灰がない場合は、陶器や金属など不燃性の皿の面に、火先を軽く押し当てます。火種を潰すイメージです。強くこすりつける必要はありません。押し当てたあと、煙が完全に止まったことを確認してください。

焚く前から短くしたい → 折ってから火をつける(最良) 途中で消したい → 灰に埋める/皿に押し当てる 水をかける → 緊急時のみ。残りが使えなくなる 残り時間の目安 一本まるごと=約30分 半分に折る=約15分 短寸タイプ=約12〜15分 消したお香は、また焚き直せる

なお、指でつまんで消す方法は昔からありますが、やけどの危険があるためおすすめしません。道具で消せるなら、そのほうが確実で安全です。

水をかけるのは、最後の手段

水をかければ確実に消えます。ただし代償が大きい方法です。

  • 残りが使えなくなる — お香は水を吸うと崩れやすくなり、乾かしても火のつきが悪くなります。
  • 香りが損なわれる — 湿気は香りの大敵です。乾かして焚けたとしても、本来の香りは戻りにくくなります。

火の始末に不安があるときの緊急手段としては正解ですが、ふだん使いの消し方にはしないでください

消したお香は、また焚けるのか

灰に埋める・皿に押し当てる方法で消したお香は、もう一度火をつけて使えます。ただし一度熱の入った部分は、再点火の直後に香りが少し変わることがあります。焦げた匂いが気になる場合は、先端の黒くなった部分を少し折ってから火をつけ直すと、きれいに立ち上がります。

消した残りは、湿気させないよう保管してください。保管の基本はお香の保管方法で詳しく解説しています。

消し方の比較表

方法確実さ残りの再利用向いている場面
焚く前に折る—(消す必要がない)◎ 残り半分をそのまま使える最初から短時間と決めているとき
灰に埋める高い◎ 傷まない香炉・灰のある環境
不燃の皿に押し当てる高い○ 先端が少し焦げる香皿だけで焚いているとき
水をかける確実× 使えなくなる緊急時のみ

外出するときは、必ず消す

「あと5分で燃え尽きるから」と、火がついたまま部屋を離れるのは避けてください。外出時・就寝時は必ず火の始末をする。これはお香に限らず、火を使うものすべての基本です。消したあとは、煙が止まっているか、先端に赤い火種が残っていないかを明るい場所で確認します。

賃貸住宅でお香を焚く際の注意点は賃貸でお香を楽しむ方法に、火のつけ方から消火までの基本の流れはお香の焚き方にまとめています。短時間で楽しめる香り選びに迷ったら、40秒の香り診断もどうぞ。

よくある質問

お香を途中で消すにはどうすればいいですか?
火のついた先端を灰の中に埋めるか、不燃性の皿に軽く押し当てて火種を絶つのが基本です。空気を断てば火は消えます。指でつまんで消す方法もありますが、やけどの危険があるためおすすめしません。
水をかけて消してもいいですか?
確実に消えますが、お香が水を吸って残りの部分が使えなくなり、香りも損なわれます。緊急のとき以外はおすすめしません。灰に埋めるか、不燃の皿に押し当てる方法なら、残りをまた焚けます。
途中で消したお香に、もう一度火をつけられますか?
つけられます。ただし一度熱が入った部分は、香りが最初と少し変わることがあります。気になる場合は、焦げた先端を少し折ってから火をつけ直すときれいに立ち上がります。
短い時間だけ楽しみたい場合は?
焚く前に半分に折るのが最良です。約30分のお香なら半分で約15分になり、途中で消す手間がありません。お試し香のような短寸タイプなら、そのままで約12〜15分です。
火が消えたか確認する方法はありますか?
煙が完全に止まっているか、先端に赤い火種が残っていないかを明るい場所で確認してください。外出前は特に念入りに。少しでも不安があれば、灰に深く埋めるか時間をおいて再確認します。
nagomi. 香り監修 川辺一寛

Supervisor

川辺 一寛nagomi. 香り監修

京都生まれ、京都育ち。株式会社若林佛具製作所にて四半世紀以上にわたり香りと向き合い、仏事コーディネーター・京仏マスターソムリエの資格を持つ。nagomi.では香りの方向づけと、淡路島の香司との焚き比べ・共同開発を担う。

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