陶器の小皿に置かれた円錐形のコーン型のお香と、立ちのぼる細い煙

静かに始まり、燃えるほどにふくらむ。

この記事の要点

  • コーン型は円錐形のお香で、燃焼面が広がるため静かに始まり後半ほど香りが強くなります。
  • 燃焼時間は10〜20分程度の製品が多く、短い時間で空気を整えたい場面に向いています。
  • 灰は足元にまとまって落ちるので香立ては不要ですが、熱が一点に集まるため不燃の皿が必須です。
  • nagomi. のお香はすべてスティックタイプで、長さ約13.8cm・一本 約30分。コーン型はご用意していません。

お香売り場で、小さな三角錐の形をしたものを見かけたことはありませんか。あれがコーン型のお香です。スティックと同じ材料でできていますが、形が違うだけで香り方も扱い方も変わります。この記事では、コーン型の特徴と使い方、そしてスティックとの違いを整理します。

コーン型のお香とは — 円錐形がつくる香りの立ち上がり

コーン型は、香の材料を円錐形(三角錐)に成形して乾燥させたものです。高さは2〜3cm程度の製品が多く、手のひらに数個のせられるほどの小ささです。

この形がもたらすいちばんの特徴は、燃えるほど香りが強くなるという点にあります。火をつけるのは、いちばん細い頂点。そこから下へ燃え進むにつれて、燃えている面の直径が広がっていきます。燃焼面が広がる=一度に発せられる香りの量が増える、という単純な理屈です。

スティックが最初から最後までほぼ同じ太さで、香りの濃さも一定に近いのに対して、コーン型は静かに始まり、後半に向かってふくらんでいく。同じ香料でも、印象がずいぶん違って感じられます。

はじめ(細い) 後半(太い) 香りの強さ 時間 → 燃焼面が広がるほど、強くなる

※ 図はイメージです。実際の立ち上がりは配合やサイズで変わります。

コーン型の燃焼時間は10〜20分程度が多いようです

燃焼時間は製品によって幅がありますが、10〜20分程度のものが多いようです。サイズと配合で変わるので、必ずパッケージの記載を確認してください。

スティックと比べると短めですが、これは欠点ではありません。短い時間で、はっきりと香らせたいときには合っています。来客の少し前に一つ焚いて空気を整える、玄関で短く使う、といった場面です。

一方、読書や作業のあいだじゅう穏やかに香らせたい、という使い方には向きません。その場合はスティック(nagomi. の場合、一本で約30分)や、より長く焚ける渦巻き型のほうが素直です。

灰が下にまとまる — 受け皿だけで完結する手軽さ

コーン型のもうひとつの利点が、灰の扱いのシンプルさです。

スティックは横に伸びた状態で燃えるため、灰が途中で折れて落ちる場所を考える必要があります。受け皿の長さが足りないと、灰が外にこぼれます。対してコーン型は、燃えたそばから灰が自分の足元に落ちて、小さな山にまとまります。皿が一枚あれば、それだけで完結する。

穴に挿す香立ても要りません。置くだけで使えるので、道具を増やしたくない方には扱いやすい形です(灰の性質についてはお香の灰の話もどうぞ)。

必ず不燃の皿で — 熱が一点に集まる形だから

コーン型は、陶器・金属・ガラスなど不燃性の皿の上で必ず焚いてください。手軽さの裏返しとして、安全面で気をつけたい点があるからです。

燃焼の熱が底面の狭い一点に集中するのです。スティックのように熱源が空中で移動していく形とは違い、コーンは最後まで同じ場所で燃え、最後にはその場所へ火種が降りてきます。結果として、受け皿そのものがかなり熱くなります

  • 必ず不燃性の皿を使う — 陶器・金属・ガラスなど。木の皿や紙、樹脂は不可です。
  • 皿の下にも一枚 — 木のテーブルや塗りの家具の上では、コースターや耐熱の敷物を挟むと安心です。
  • 燃え終わってすぐ触らない — 皿の余熱が残ります。冷めてから片づけてください。
  • 灰を厚めに敷いてもよい — 香炉灰を敷いてその上に置くと、熱が直接皿へ伝わりにくくなります(香炉の使い方)。

火まわりの基本はお香と火の安全にもまとめています。

逆流香炉(バックフロー)に使われるのもコーン型

逆流香炉に使うのは、中心に縦の穴が空いた専用のコーン型です。煙が滝のように下へ流れ落ちる香炉を見たことがあるでしょうか。逆流香炉、バックフロー香炉などと呼ばれるものです。あれに使うのも、コーン型の一種です。

ただし普通のコーン型では流れません。逆流香炉用のコーンは中心に縦の穴が空いており、そこを通った煙が香炉の溝を伝って下へ落ちる仕組みになっています。冷えた煙は空気より重いため、下向きに流れるわけです。

見た目がよく似ているので混同されがちですが、香炉に対応した専用品を選ぶ必要があります。買う前に「バックフロー用」「穴あき」といった表記を確認してください。

コーン型とスティック型の違い — 比較表

大きな違いは、香りの立ち方(後半にふくらむか、一定か)焚く時間の長さ、そして必要な道具の三点です。ここまでの内容を、一覧にまとめます。

コーン型スティック型
円錐形。下にいくほど太い細い棒状。太さは一定
燃焼時間10〜20分程度が多いようですnagomi. は一本 約30分(半分で約15分)
香りの立ち方静かに始まり、後半にふくらむ始めから終わりまで比較的一定
灰の扱い足元にまとまって落ちる横に落ちるので受け皿の長さが要る
必要な道具不燃の受け皿(置くだけ)香立て、または灰を入れた香炉
皿の熱一点に集中し、熱くなりやすい比較的分散する
向く場面短時間で空気を整えたいとき読書・作業・就寝前など、時間のある場面
長さの調整基本的にできない折って短くできる

どちらが優れているという話ではなく、使う場面が違うだけです。形ごとの全体像はお香の種類にまとめています。

nagomi. はスティックタイプです

念のため明記しておくと、nagomi. のお香はすべてスティックタイプです。コーン型の製品はご用意していません。

長さは約13.8cm、一本で約30分。半分に折れば約15分として使えるので、時間の区切りに合わせて調整できます。香立ては付属しないため、お手持ちのものか、不燃の小皿をご用意ください。

香りは白檀沈香など7種。どれが合うか迷う方は、40秒の香り診断をどうぞ。

よくある質問

コーン型のお香の燃焼時間はどれくらいですか?
製品によって差がありますが、10〜20分程度のものが多いようです。サイズと配合で変わるため、パッケージの記載をご確認ください。スティックタイプ(nagomi. の場合、一本で約30分)と比べると短めです。
コーン型は途中から香りが強くなるのはなぜですか?
円錐形で下にいくほど太いためです。燃えている面積が時間とともに広がるので、後半ほど一度に発せられる香りの量が増えます。静かに始まり、じわじわとふくらむ立ち上がりになります。
コーン型は香立てなしで使えますか?
穴に挿す香立ては不要ですが、不燃性の受け皿は必ず使ってください。熱が底面の一点に集まるため、皿そのものがかなり熱くなります。木のテーブルや布の上に直接置くのは避け、皿の下にも耐熱の敷物を挟むと安心です。
逆流香炉(バックフロー)にはコーン型を使うのですか?
煙が下へ流れる逆流香炉には、中心に穴の空いた専用のコーン型を使います。見た目が同じでも穴のない普通のコーン型では流れないため、香炉に対応した専用品をお選びください。
nagomi. にコーン型はありますか?
nagomi. のお香はすべてスティックタイプです。長さ約13.8cm、一本で約30分。半分に折れば約15分として使えます。まず香りを試したい方には、通常の半分の短寸を5種×4本そろえたお試し香(¥750)をご用意しています。
nagomi. 香り監修 川辺一寛

Supervisor

川辺 一寛nagomi. 香り監修

京都生まれ、京都育ち。株式会社若林佛具製作所にて四半世紀以上にわたり香りと向き合い、仏事コーディネーター・京仏マスターソムリエの資格を持つ。nagomi.では香りの方向づけと、淡路島の香司との焚き比べ・共同開発を担う。

5種の香りを少しずつ。nagomi. お試し香(5種×4本)

まずは、形より香りから。nagomi. お試し香(5種×4本)

通常の半分の短寸で、一本 約12〜15分。5種類の香りを少しずつ試せます。天然香料・日本製。¥750(税込)

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